喘息の薬物治療

喘息の治療方法

喘息の薬物治療 1) 3) 4)

〈治療目標〉

喘息の治療では、患者さんが健康な人と変わらない日常生活を送れるようになることを目標とします。そのために、気道の炎症を起こす原因を取り除き、薬物治療によって炎症を抑え、できるだけ正常に近い呼吸ができるようにします。こうした治療により、日常生活の質は上がり、将来的な急性増悪(発作)や呼吸器機能の低下を防ぎます。

〈治療方法〉

長期管理薬を毎日継続的に使用します。また急性増悪(発作)が起きた時には、短期的に発作治療薬を使用します。医師が重症度(急性増悪(発作)の頻度や程度など)を4段階に分類し、それにあわせて治療薬が選ばれます。
・成人の場合
治療薬は、吸入ステロイド薬を基盤に、長時間作用性気管支拡張薬や抗コリン薬の吸入製剤などを重症度によって追加します。
・小児の場合
重症度によって治療薬が選択されることは成人と変わりませんが、5歳以下と6歳以上で治療薬の選択の基準が異なります。6歳以上は成人と同様に吸入ステロイド薬が基本治療となります。

〈吸入ステロイド薬〉

さまざまな種類の吸入薬が販売されており、吸入の方法も異なります。直接吸入するもの、ネブライザーを用いるもの、吸入補助器具(スペーサー)を用いるもの様々です。
子どもは薬を吸い込む力が弱かったり、薬剤が噴霧されるタイミングで吸い込むことが難しかったりします。このため、年齢や発達段階などにあわせて、使いやすく吸入効率のよい吸入方法を正しく選ぶことが大切です。
ご自身に適したネブライザーを正しく選択するために、下記をご参考ください。
「ネブライザーとは」ページ、またはその中の「ネブライザーの選び方」

【出典】

1) 一般社団法人日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会 監修: 喘息予防・管理ガイドライン2021. 2021. 協和企画

3) 医療情報科学研究所: 病気がみえるvol.4 呼吸器. 2021(第3版). メディックメディア

4) 足立満: ぜんそく 正しい治療がわかる本. 2011(第2版)